イランは 海峡支配を「国家存亡レベルの戦略的利益」 と位置づけ、いかなる代替航路案も拒否している。支配を失うことは「重大な戦略的敗北」「降伏」に等しいと認識。最高指導者顧問レザーイは海峡を「原爆数十発より重要」と表現。

オマーンは、南側:オマーン領海を通る自由航行ルート、北側:イラン領海を通るが事前承認のみ必要、通行料なし、の二重ルートを提案。イランはこれを拒否し、海峡管理権を弱める案は受け入れられないと主張。アラグチ外相はオマーンとの協議で承認を得られず、テヘランへ持ち帰り。

米軍は 3日間で300以上の標的 を攻撃し、ミサイル・ドローン・海軍能力・レーダーなどを破壊したが、イランは依然として個別の商船攻撃能力を維持。7月11日:GFS Galaxy(キプロス船籍)に巡航ミサイル攻撃、7月12日:別の船舶への攻撃を主張。個別攻撃でも船舶のリスク判断を左右し、海峡通行を実質的に阻害可能な状態。

7月12日、イランは バーレーン、クウェート、ヨルダン、カタール、オマーンの米軍施設にミサイル・ドローン攻撃。目的は、湾岸諸国が米国・湾岸主導の海峡再開努力を支援することを抑止するとともに、イランの海峡支配を認めさせるための圧力をかけること。カタールとオマーンは米・イラン間の仲介役だが、イランは彼らが「米国の圧力に屈した」と非難。

イランは外交的譲歩を拒否し、軍事力を用いて海峡支配を既成事実化しようとしている一方、米軍の攻撃はイランの能力を削いでいるが、イランの意思決定や戦略目標は変化していない。湾岸諸国への攻撃は、地域全体を巻き込む抑止・強制戦略の一環となっている。

ISW Iran Update Special Report, July 12, 2026