7月のモディ首相の豪州訪問で、日豪に加え、豪印もアジアの中規模国同士の連携強化に大きな成果。署名された「Joint Declaration on Defence」では、両国軍の相互運用性向上、情報共有の拡大、演習の複雑性・高度化が明確に打ち出された。特に、「インド太平洋の防衛関連事態について協議する」という文言はANZUS条約の協議義務に近い「同盟的」表現。インドは長年「同盟に縛られない戦略的自律」を重視してきたが、中国の行動がインドの姿勢を変えつつある。
また、豪州のインド向けウラン供給は、NPT非加盟国であるインドの扱いを巡り長年の懸案だったが、今回の合意は、エネルギー安全保障協力の大きな前進であり、インド側の長年の不満(豪州は中国には売っていた)を解消する動き。
豪印は依然として、中国の経済威圧への共同対応が不十分だが、中国の圧力は二国間でのみ効果を持つからこそ多国間で対抗すべき。インド太平洋諸国は、中国が一国を狙った場合に迅速に連携できる「多国間の即応フォーマット」を構築すべきだ。今回、豪印協力は進んだが、中国の強圧的行動を抑止するに足るさらに広い多国間協力枠組みの構築はこれからだ。
「Modi’s visit: Australia, India seek to gain strength from each other」(The Strategist, 13 Jul 2026, Rajeswari Pillai Rajagopalan)