豪アルバニージ政権は6億ドルを投じてパプアニューギニア(PNG)のラグビーチームをナショナルラグビーリーグ(NRL)に参入させる大型契約を締結。マラペPNG首相は、ラグビーを国内統合(800言語・1000部族)の象徴と位置づけており、長年の悲願が実現。一方の豪政府は、PNGが中国と安全保障協力を進めた場合、この資金を撤回できる「暗黙の条件」を保持。

豪は、「ミドルパワー外交」として太平洋の安全保障枠組みを再構築中で、2025年にはPNGとPukpuk条約を締結し、PNG国民が豪軍に入隊できる制度を含む安全保障協力の深化を制度化。中国の軍事・警察進出を阻止し、太平洋で「パートナー・オブ・チョイス」の地位を確保することを目的としている。

条約レベルの安全保障関係構築にスポーツを組み込むという前例のないアプローチだが、NRL選手の50%が太平洋諸国の出身であり、文化的結びつきを強める戦略的資産として、外交・安全保障政策の主要ツールとして活用するものだ。

豪政府はさらに、「移民・労働・ビザ政策」も太平洋戦略に組み込み、太平洋諸国の人々が豪州で最長4年間働ける制度を拡大した。中国の存在感は依然として脅威視されており、豪の防衛関係者は「中国が一度でも軍事・警察拠点を太平洋に作れば豪州の安全保障は崩れる」という認識だ。2022年のソロモン諸島の中国警察協定は豪州に衝撃を与えたし、最近の中国の長距離弾道ミサイルの太平洋への弾着に豪州は強い懸念を表明している。

豪州は太平洋を「自分の裏庭」ではなく「家族」と再定義し、太平洋諸国との関係を対等な「Pacific family」として再構築しようとしている。これは、中国の「開発支援+安全保障」モデルに対抗するための価値観外交ともいえるものだ。

“Australia pushes sporting diplomacy to new levels in the Pacific,” (By Finn McHugh 08/20/2026 02:46 PM EDT POLITICO)