匿名の米国情報筋は、CENTCOMの9/1の空爆はホルムズ海峡の海底通信ケーブルに対するイランの攻撃を先制するものだったと語った(9/2Al Arabiya)。革命防衛隊系のメディア(Fars NewsやTasnim News Agency)は5月に、イランが海峡を通過する光ファイバーケーブルの主権を主張し、外国の事業者に許可取得や手数料の支払いを義務付けるべきだと主張していた。ウォール・ストリート・ジャーナルも8/16に、革命防衛隊が「さらなるエスカレーション」計画を立てており、海底のインターネットケーブルを破壊する計画も含まれていると報じており、その蓋然性は高いといえる。
中東海域の海底ケーブルは欧州とアジアのトラフィックの重要幹線であり「デジタル・チョークポイント」を形成している。「紅海〜バブ・エル・マンデブ海峡ルート(東西基幹幹線)」は、欧州とアジアを結ぶ海底ケーブルのほぼ全て(15本以上)が、紅海を通ってエジプトに上陸し、地中海へとつながっている。紅海は水深が浅く幅も狭いため、物理的な集中度が最も高い、地球上で最大の「データ・ボトルネック」となっている。
「ホルムズ海峡〜ペルシャ湾ルート(地域集中型幹線)」は、アラビア海から分岐し、ペルシャ湾奥部の産油国(UAE、カタール、サウジアラビア東部、クウェート、イラク)やイランを支える通信線が通過している。湾岸諸国の高度デジタル経済(AIデータセンターや金融ハブ)の生命線となっている。
イランが海底ケーブルを効果的に損傷させる技術的能力を持っているかは不明であるが、貨物船の錨を引き摺るだけでよいことは世界の他海域の事例をみれば明らかだ。


ISW Iran Update, September 2, 2026