2026年4月28日以降、少なくとも13隻の中国船舶のAIS信号がマニラ港に出現。これらの信号は、マニラと中国沿岸の複数地点を「瞬間移動」するように出現しており、典型的なAISスプーフィングのパターン。

中国海警(CCG)18602、タグボート、複数の漁船などに偽装している。

Starboard Maritime Intelligence によれば、同じ偽装信号が過去3年間、台湾・淡水漁人碼頭周辺でも頻繁に観測されていた。

フィリピンで偽装AISが多数同時に出現するのは、2024年12月以来であり、当時、中国の浚渫船がマニラ港でCCG船のAISを偽装していたとフィリピン当局が報告している。

中国はAISスプーフィングを台湾に対して長年使用してきた。目的は、偽の船舶を大量に出現させ、監視システムを混乱させる、実際の中国船の位置を隠す、台湾の意思決定者を威圧・混乱させ監視・対応リソースを浪費させるというものだ。フィリピンではこれまで台湾ほど多用されていなかったが、今回の事例は台湾と同様の手法がフィリピンにも拡大している兆候である。

Reuters によれば、2025年8月以降、中国は南シナ海でドローンを使い偽の航空機信号を発信していた。

マニラ港や台湾・淡水で偽信号が継続的に出現していることから、中国がこれらの港に停泊させた船舶を使って偽AISを周期的に発信している可能性が高い。偽AIS発信のために中国船が台湾・フィリピンの港に気づかれずに停泊できている事実は、中国が同様の手法で軍事・軍民両用装備を密輸できる可能性を示唆している。

例えばウクライナの「蜘蛛の巣作戦」(2025年)では、普通のトラックにドローンを隠し、ロシア国内深くを攻撃した。同様に、中国が貨物船を「ドローン・ミサイル満載のアーセナルシップ」に改造し、コンテナ内部に武器を隠匿すれば、中国が商船やトラックに偽装した攻撃能力を海外に持ち込む潜在性を持つことになる。新たなグレーゾーン作戦ともいえ、要注意だ。

ISW China & Taiwan Update, May 22, 2026 May 22, 2026