今年のロシア戦勝記念日パレードは、ウクライナの無人機が飛来して混乱することを恐れ、戦車やミサイルなどの隊列のない「地味」なものになった

最近のウクライナの長距離攻撃をみると、ロシア深部の脆弱性が顕在化していることがわかり、射程だけ見るとトマホークにも匹敵している。

最近のウクライナの長距離攻撃をみると、ロシア深部の脆弱性が顕在化している。ウクライナはレニングラード州キリシ油精製所、チュヴァシ共和国チェボクサリのVNIIR-Progress工場など、ロシア深部の重要インフラを連続攻撃。VNIIR-ProgressはGLONASS/GPS/Galileo向け受信機や電子戦耐性ナビ部品を製造する重要施設であり、ゼレンスキー大統領は、F‑5 Flamingoミサイル(射程1500km超)を使用したと発言。キリシ油精製所はロシア国内最大級(年2000万トン規模)で、複数の蒸留装置が損傷し操業停止。これらの攻撃は、ロシアがヨーロッパロシアの主要都市・インフラを防衛できていない現実を示している。

ウクライナの長距離攻撃は、ロシア国内の混乱と不安の拡大をもたらしている。ロシアは15都市の空港を同時閉鎖、モスクワの4空港にも制限。ハンティ・マンシ自治管区(ウクライナ国境から2000km以上離れた地域)で初の空襲警報が出された。ロシア国民は、戦死者が人口の1%に迫り、経済負担が増大し、検閲・通信制限が強化されるといった形で戦争の負担を強く感じ始めている。一部のミルブロガーは、プーチン政権の防空失敗や「虚栄心優先」の姿勢を公然と批判している。

戦勝記念日(5月9日)をめぐる政治的緊張も高まった。ロシア国防省は5月8〜9日の一方的停戦を発表。同時に「ウクライナが5月9日にモスクワを攻撃する」と虚偽の非難を行い、キーウへの大規模報復攻撃を示唆した。プーチン大統領は軍事パレードを強行する姿勢だが、装備展示を中止したのは「屋外の装備待機場所がウクライナの攻撃に脆弱」だからとミルブロガーが批判している。