フィリピン外務省は、国連に領海基線、12マイルの領海、さらに12マイルの接続水域を示す公式海図を提出(7/31)。UNCLOSと2016年仲裁裁判所判決に基づき、スカボロー礁はフィリピンの領海を構成すると主張。

これに対し、中国大使館は「主権侵害」「挑発」と非難し、海警局は直ちに臨検・拿捕、侵入者阻止、強制曳航など、実際の排除行動を想定した「法執行演習」を実施した(8/1)。

同日、人民解放軍は、空海合同演習として空海統合作戦、迅速増援、偵察・警戒、威嚇パトロール、制海・制空、合同打撃などを実施。H-6K(YJ-12搭載)、ヘリ、エアクッション艇(Type 071から発進)、Type 052D・054A・056Aなど主力艦艇を投入して実戦的な対艦・対上陸阻止能力を誇示。中国国営メディアは、中国の領有権を正当化し演習を「豊富で強力な対抗措置」と描写、フィリピンを「違反者」と位置づける情報戦を展開した。

海警局、自然資源部、国家林草局、海南省は共同で「黄岩島国家自然保護区管理規則」を公布(8/1)したが、定期的な巡回監視を行い中国が承認した保全・管理活動以外の入域を禁止するもので、「環境保護」を名目に外国船排除を正当化する法的枠組みを強化。中国は2012年に海警局が実効支配を確立して以降、解放軍、海上民兵、調査船を増強配置し、非中国船の排除・拿捕を可能にする法制度を整備している。

フィリピンは、公式海図の提出に先立ち、国連に大陸棚延伸の申請を行った(7/29)。これは、パラワン西方から北方へ最大350マイルに及ぶ大陸棚を延長するもので、2009年のBenham Riseに続く2回目の申請。

新しい申請はフィリピンEEZ(200マイル)を大幅に超える海底資源権を主張し、スプラトリー諸島の大部分の海底を含むもの。領有権そのものは増えないが、中国の「南シナ海広域管轄権」主張を弱体化させることが目的。中国・マレーシア・ベトナムは国連に抗議文を提出した。

ISW China & Taiwan Update, August 7, 2026