カナダは25億豪ドル(17.5億米ドル)で豪Jindalee Operational Radar Network(JORN)技術を基にしたArctic Over-the-Horizon Radar(A-OTHR)を導入する契約を締結。豪にとって史上最大の防衛輸出となる。

このレーダーは、高周波を電離層に反射させて地球の曲率を越えて探知する仕組みで、航空機・艦艇・ミサイル・極超音速兵器などを最大3,000kmで探知、北米防空(NORAD)近代化の中核となる。これは、旧式の冷戦期レーダー網を刷新し、北極圏からの新たな脅威に対応するために2022年に米加首脳が合意した大規模防衛近代化の柱で、カナダのNORAD近代化計画(総額386億カナダドル)の一環だ。A-OTHRは2031年頃に完全運用予定。

カナダはさらに「Polar OTHR(P-OTHR)」も計画しており、A-OTHRが北米本土〜北極圏の「北方接近ルート」をカバーするのに対して、北極海・カナダ北極諸島・極域そのものを監視する構想で、北極圏奥深くまで監視網を拡大しようとするもの。現在はサイト選定などの初期段階にある。カナダは、レーダー以外にも沿岸警備隊の大型砕氷船を整備したり北極パトロール能力の拡大に努めている。

ロシアは、長年にわたり北極圏に広範な基地・防空網・早期警戒レーダーを展開してきたが、ウクライナ戦争で人的・資金的リソースが逼迫し、一部の計画が遅延している。そうした中、NATO諸国は北欧・北極圏での NATO演習を増加させるなど、監視・プレゼンス・抑止力を強化中だ。北極圏は「遠い辺境」ではなく、競争が激化する戦略空間として注目されている。

“Australia, Canada Sign $2.5 Billion Arctic Radar Deal as Ottawa Accelerates NORAD Modernization,”(Malte Humpert Published 23 June 2026 – 11:01 Modified 23 June 2026 – 11:03 HIGH NORTH NEWS)