イスラエルは、6月13日早朝のイラン攻撃は最初の3週間の作戦の始まりに過ぎないと宣言した。現時点では、イランの指揮統制システムに対するイスラエルの攻撃は、イランが自国に対するいかなる攻撃の報復になると脅していた大規模な「True Promise-3」の対応を妨げているように見える。

今のところ、湾岸の船舶航行に直ちに混乱は起きていないようで、驚くべきことに湾岸の航空会社も、イラン領空を避けながら、迂回による遅延はあるものの、おおむねスケジュールを維持しているようだ。

ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された船舶航行情報によると、通常よりも多くの船舶がイランの港湾沖の停泊地にいるようだが、その数はイスラエルの攻撃前から増加していたところに、おそらくバンダル・アッバース港での爆発によって引き起こされたのだろう。

ホルムズ海峡を封鎖しようとするイランの試みは、非常に危険な試みとなるだろう。第一に、イランの主要な資金源であるイラン自身の石油輸出を削減することになる。封鎖はすぐに公然たる戦争に発展するだろう。イラン革命防衛隊(IRGC)海軍(ネッサ)は、平時には厄介者となることがあるが、イランの海上作戦能力は、ネッサと時代遅れの正規海軍(ネダージャ)の両方に依存しており、もし彼らが公然たる紛争でアメリカや同盟国の海軍と交戦すれば、たちまち撃沈されるだろう。

さらに、ホルムズ海峡の閉鎖はGCC諸国に深刻な影響を与えることは確実で、現在イスラエルの攻撃について怒りを公言しているこれらの国々を敵に回したいとは思わないだろう。同様に、GCC諸国のインフラや、これらの国々に拠点を置くアメリカの資産に対する攻撃は、GCC諸国のリーダー達をアメリカと同調させることになるかもしれないが、「パレスチナの大義」に対するこれらGCC諸国の民衆からの支持を失わないために、公に語られることはない。

イスラエルは、今回の攻撃をイランが核兵器を取得するのを防ぐために必要な避けられない措置として主張している。しかし、イスラエルにとって重要なのは、永続的なイランの弾道ミサイルの脅威を抑制し、何十年にもわたってこの地域を悩ませてきたイランの拡張主義戦略に終止符を打つことだ。この点に関するイスラエルの目標は、米国と共有されている。イラン指導部を攻撃することは、この目標を達成するのに役立つだけでなく、イランの反撃計画を麻痺させ、IRGCを支配する強硬派を弱体化させる効果があるだろう。

イスラエルはまた、ペゼシキアン大統領が率いる改革派の大義と密接に連携している正規軍に対する攻撃を抑制することを選択するかもしれない。ここ数週間、バンダル・アッバス海軍港の正規海軍の艦隊の大部分が停泊したままでいることは、あえてイスラエルを挑発したくないという願望と解釈できるかもしれない。正規軍を攻撃しないことで、イスラエルは彼らに、攻撃終結後の権力闘争で改革派が強硬派に立ち向かう力を残すことになるだろう。

参考資料:”How Will the Israel-Iran Conflict Unfold?,” (Published JUN 13, 2025 3:46PM by The Maritime Executive)