11月17日から18日にかけてスウェーデン沿岸で海底ケーブルが切断された。AIS(自動船舶識別装置)情報から中国のばら積み船「Yi Peng 3」が当時その海域で不自然な動きをし、かつその錨のひとつがひどく捻れていることが判明した。切断海域ではROV(遠隔操作型無人潜水機)による海底調査で錨を引きずった痕跡が確認された。同船はデンマークとドイツ船の監視のもとユトランド沖の国際海域に停泊しているが、旗国の中国が許可を出していないため乗船検査はできていない(12/18現在)。
これだけでも同船による意図的な切断が強く疑われるが、その後のAIS記録の調査で、11月7日にもカテガット川中央部のラエソ沖で3本の海底ケーブルの上で停船したことが判明した。デンマークの報道機関TV2はROVによる調査を行い、その結果、「Yi Peng 3」の位置情報と一致する海底で錨の落下痕と引きずった痕跡を確認した。
今後、中国が「Yi Peng 3」への乗船検査を許すのかどうか、同船の「破壊工作」が中国独自の考えによるものなのか、だとすれば便宜置籍船等の他国籍船ではなく中国籍船なのか、あるいは同船船長がロシアなど第三国に買われて行ったものなのか注目される。
参考資料:“Bulker Accused of Cutting Baltic Cables May Have Tried Once Before,” (The Maritime Executive (Dec 18, 2024 11:33 PM))