使い捨て攻撃(One-Way Attack: OWA)ドローンは、「防空(AAW)」と「C-UAS(小型商用ドローン対策)」という既存の分類では捉えきれない新しい脅威で急速に拡大している。「Shahed-136」のような100〜850kg級の長距離・低コスト・大量投入可能な無人攻撃ドローンが典型例で、対処が後手に回っている。

ドローン対策には次のような「三層防空モデル」が必要で、それぞれの層で専用のシステムが必要だ。

Tier 1:小型商用ドローン(ジャミングや短距離迎撃)

Tier 2(ADW):OWAドローン(低RCS・大量投入・低コスト)

Tier 3:航空機・巡航ミサイル・大型UAV(従来の防空)

ドローン対策では経済性の問題が大きい。攻撃側が2〜5万ドルのドローンを数十〜数百機投入可能なのに対して、防御側が高価な迎撃ミサイルを使えばコスト交換比で破綻し、「消耗戦」で負ける構造となっているため、低コストの迎撃手段(レーダー誘導砲・小型精密兵器)が必須だ。

海上では、接近するOWAドローンは低RCSで探知距離が短いため(実質10km前後)、探知から着弾まで数分しかなく、反応時間が極端に短い。既存の陸上システムでは不十分で、極力遠方での早期探知・早期迎撃が不可欠となる。

この対策として、USV(Unmanned Surface Vehicle)を脅威軸の前方30kmに配置すれば、探知時間が10分以上延長することになる。USVは、小型でステルス性が高く、発見されにくい前方センサー/迎撃プラットフォームとして最適であり、機動性・再配置性・護衛任務・分散配置が可能で、AESAレーダー、EO/IR、低コスト精密迎撃手段を搭載すれば、陸上システムの弱点を補完できる海上ADWの中核となりうる。

このようなUSVを群として運用する場合、秒単位の自動化されたターゲット割り当てが必要であり、十分な弾薬量と統合C2が最重要とされ、単なるプラットフォーム導入ではなく、ADWを独立した作戦領域としてドクトリンを制定し体系化することが不可欠だ。

“Anti-Drone Warfare: The Missing Tier in Maritime Defence Architecture”(Published on 30/06/2026 Naval News)