オーストラリア国防省によると、米国と英国の原潜のローテーション配備を支援するインフラ工事は8月、パース近郊の海軍基地である「HMASスターリング(Stirling)」で始まり、早ければ2027年にも「西部潜水艦ローテーション部隊(Submarine Rotational Force-West)」を受け入れる予定だ。
計画では、英国潜水艦1隻と最大4隻の米国艦艇が一時的に駐留する予定であり、基地近くのコミュニティに3,000~9,000人のアメリカ人が居住する可能性がある。オーストラリアの原潜計画を監督している豪潜水艦庁(Australian Submarine Agency)は、52億ドル相当の基地拡張工事により、将来にわたり豪艦隊と訪問部隊の通常兵装の原子力潜水艦の所要を満たすとしている。
このローテーション部隊は、オーストラリア、英国、米国間の2021年のAUKUS安全保障協定の一環である。米国防総省は米国産業界が米海軍のニーズを満たしながら2030年代初頭からオーストラリアに潜水艦を供給できるかどうかが懸念される中、この協定の見直しに着手している。
米太平洋艦隊によれば、AUKUSの見直しでは戦略的連携と米国への利益のために、第一の柱(原潜)と第二の柱(軍事技術に関する協力協定)の両方における現在のコミットメントが評価されるとしており、協定に関する米政権のアプローチの変更は、必要に応じて公式ルートを通じて伝達されるとしている。
豪潜水艦庁は、SRF-Westの潜水艦は、オーストラリアが所有・運営する基地である「HMASスターリング」においてローテーションされると述べ、ローテーション部隊は米海軍基地ではないと強調した。さらに、オーストラリアは、オーストラリア本土に外国基地を駐留させないという長年の超党派政策をとっており、SRF-Westの下での活動は、この方針と一致していると付け加えている。同庁によると、この取り決めはオーストラリアが2030年初頭までに原子力潜水艦艦隊を保有、運用、維持、規制するために必要なスキルを開発するのに役立つとしている。
参考資料:”Work begins in Western Australia to host nuclear submarines under AUKUS pact,”(By SETH ROBSON STARS AND STRIPES • September 8, 2025)