ハンファグループは、米国の外国投資委員会(CFIUS)から、オーストラリアの造船会社Austal Limitedの株式保有を最大100%に増やす許可を受け、韓国の造船会社の米国造船部門への進出における重要なマイルストーンとなった。

同社は現在、2025年3月に取得したAustalの株式9.9%を保有しており、これを19.9%に増やす計画。Austal社の米国子会社であるAustal USAは、米軍の大手造船会社および防衛請負業者であるが、CFIUSの裁定は、ハンファの株式増加について「国家安全保障上の懸念はない」としている。

「CFIUSの結果は、米国政府内での強力な支援の証拠である」とハンファグローバルディフェンスのCEOであるマイケル・コールタード氏は述べている。「これはまた、韓国の技術と慣行をさらに移転し、米国の造船を向上させることに対して、米国政府から大きな関心を得ていることとも一致している。」

この事案は、トランプ政権と議会が、海軍艦隊の保守と建造に影響を与える遅延とコスト超過という大きな課題に直面している米国の造船業界を後押しする意図を示していることを受けてのものである。ハンファは、最近フィラデルフィア造船所を買収し、韓国の造船所として初めて米海軍の船舶保守契約を結ぶなど、米国造船市場へのコミットメントをすでに示してきた。

ハンファのAustal社への戦略的投資は、収益の約80%を米国事業から得ているオーストラリアの造船会社に資本、国際関係、および運用上の専門知識へのアクセスを提供することが期待されている。Austal社の米国での拠点には、アラバマ州モービル、サンディエゴ、バージニア州シャーロッツビルの施設が含まれる。

今回の取引を進めるには、計画されている19.9%までの所有権の増加についてオーストラリアの外国投資審査委員会による承認が必要だ。この交渉は、昨年ハンファがAustal社を完全に買収しようとして失敗したことに続くものである。

参考資料:”South Korea’s Hanwha Cleared to Boost Control of U.S. Navy Shipbuilder” (by Mike Schuler, June 9, 2025, gCaptain)