トランプ米大統領は、10月29日、米国政府が韓国が米国本土で原子力潜水艦を建造することを許可したと発表した。この潜水艦は2024年後半に韓国の防衛企業ハンファ(Hanwha)に買収されたフィラデルフィア造船所で建造される予定だという。
同造船所は現在、商船のみが建造され、原子力潜水艦の建造設備が整っていないため、ハンファは50億ドルを追加投資したと伝えられているが、造船所の開発に関する具体的な合意や、韓国側の正式な潜水艦の建造計画は発表されていない。



カン・ドンギル(Kang Dong-gil)韓国海軍作戦部長は30日、国会国防委員会において、原子力潜水艦計画の開始時期はまだ決まっていないが、建造には10年以上かかるだろうとし、排水量は5,000トンを超えると予想されると明らかにした。また、ソク・ジョンゴン(Seok Jong-geon)国防調達事業庁(DAPA)委員も、先進国の事例を見ると、原子力潜水艦の建造には概ね10年程度かかるが、我々の能力を合わせれば多少短縮できると付け加えた。さらに、アン・ギュベク(Ahn Kyu-baek)国防部長官は原子力潜水艦建造計画の規模について、海軍と議論する必要があるが少なくとも4隻は必要だと思うと述べた。
現在、韓国はチャン・ボゴ級(KSS-I)、ソン・ウォンイル級(KSS-II)、ドサン・アン・チャンホ級(KSS-III)の3つのクラスの従来型潜水艦を運用している。KSS-IおよびKSS-II潜水艦は、ドイツの209型および214型の韓国製派生型であり、各級9隻を保有している。
最新のKSS-IIIは、初めての純国産設計であり、現在、3隻のバッチ1 KSS-III 潜水艦が運用されており、最初のバッチ 2潜水艦は 1 週間前に進水した。KSS-IIIは、改良された推進装置、より優れたソナー、新しい魚雷、およびバッチ1と2がそれぞれ6基と10基のK-VLSセルを搭載し、従来の韓国の潜水艦より大幅に能力を向上させている。これらの改善により、排水量はバッチ 1で水中3,750トンになり、バッチ 2ではさらに増加すると予想されている。
KSS-IIIは、その近代性と構造から、従来のディーゼル電気/空気独立推進(AIP)から原子力推進へのアップグレードの可能性が以前から注目されていた。
参考資料:”USA gives South Korea Green Light to Build Nuclear Submarines,”(Published on 31/10/2025
By Ethan Gossrow, Naval News)