中国からの侵略の脅威に直面して、台湾は防御強化のペースを加速させており、特に無人海上ドローン (USV) の開発に力を入れている。これらは、黒海でのロシア・ウクライナ戦争の教訓に大きく影響されている。ウクライナは黒海におけるロシア艦隊の制海を阻止するという前例のない成功を収めたことに台湾は大きな注意を払っている。
戦勝につながる兵器とはいえず、中国本土からの脅威も見極めにくいものだが、これらのUSVは効果を発揮する可能性がある。USVにより、中国本土からの最初の侵略部隊を混乱させて弱体化させ、橋頭堡への補給に高いコストを課す可能性がある。今や有名な「侵攻はしけ」は、台湾USVの標的リストの上位にあるだろう。創造的な方法で運用されれば、中国の艦隊の動きを規制し、長距離ミサイルなどの攻撃に晒すことができるかもしれない。
ウクライナのUSVがセヴァストポリへの大胆な襲撃で初めて現場で運用されて、ほぼ3年が経過した。台湾は、1年も経たない2023年8月に海上ドローン「シーシャーク400」を発表した。それは小型軽量であったため、より高性能なUSVが必要とされた。その後の発展は遅いように見えたが、最近、今年の6月に、国立中山科学技術研究所(NCSIST)が主催したイベントには、12社が参加し、実戦的なモデルが展示された。現在の開発ペースは目に見えて速くなった。報告によると、多くのUSVの試験が進行中で、一部の開発は秘密のままだが、多くは公開されている。
ウクライナの設計に最も近いものは「クアイチー(Kuaiqi)」である。6月のイベントで見られた「ブラックタイド(Black Tide)」デモンストレーターをもとに開発され、薄型の船体が特徴である。2基のディーゼル船外機が動力を提供し、43ノットを発揮する。「Kymeta」の衛星通信や、船首の「ラムチャージ」爆薬、クアッドローター・ドローン用の格納庫、徘徊弾用の6つの発射管など、さまざまな武器が搭載されている。後者はおそらく、アメリカのスイッチブレード型のデザインに類似した、国産の「Jing Feng」タイプであろう。
より未来的なデザインは「エンデバー・マンタ」だ。ファセットカット(面取り)されたステルス繊維強化プラスチックの船体を備えたトリマランで、長さは8.6メートル(28フィート)、幅は3.7メートル(12フィート)である。オプションで、帆のようなマストの基部に小さなコックピットを乗せることができる。おそらくジンバルに取り付けられた衛星通信アンテナ用の目立つレドームが、前方デッキを占めている。ホンダの船外機2基により、最高速度は35ノットである。
「Sea Shark 800」は、オリジナルの-400コンセプトよりはるかに大型化している。これは、完全に覆われた2基の船外機を備えたモーターボートであり、おそらくある程度の装甲が装備されるだろう。
「ピラニア9」は、その名前が示すように、ステルス・ラインと船中央に比較的大きな上部構造を備えた 長さ9メートル (29 フィート) の設計である。ここには、徘徊弾用のドローン格納庫がある。この船は、ウォータージェットを駆動する2基の船内モーターによって駆動される。特に、船体はレーダー吸収材(RAM)でコーティングされている。
台湾の新型USVが中国の上陸侵攻を抑止するのに十分かどうかはまだ分からない。結局のところ、戦争を始めることは主に政治的な決定であるが、台湾の新型SUVの存在は、北京の軍事計画立案者にとって不確実性を増大させる可能性がある。特に、それらが数多く構築および展開でき、運用パターンと機能が秘密のままである場合、それは北京のリスク計算を増大させ、侵略してくる艦隊に流血を強いる武器になるかもしれない。

参考資料:“Taiwan’s New Naval Drones Could Strike Any Chinese Invasion,”(Published on 13/08/2025
By H I Sutton, Navy News)