5月21日、2隻の中国海警局の船艇が、科学調査任務中にサンディケイ付近でフィリピン公船2隻に嫌がらせ。中国の最近の行動は、フィリピンが米国や他の地域パートナーとの安全保障協力を強化するのを阻止することを目的としている可能性がある。
サンディケイは、南沙諸島にあるほとんどが水没した無人のサンゴ礁で、フィリピンが支配するティトゥ島に接続されており、沿岸警備隊の基地といくつかの軍事施設が置かれている。
中国海軍の海上民兵船数隻の支援を受けた中国の船艇は、漁業水産資源局に属するフィリピンの2隻の船艇に対して放水銃を使用し、横付けて妨害した。中国は領土紛争において非致死的な暴力的戦術を採用し、米国の直接介入を誘発することを回避しているのだ。
中国海軍は4月28日、米国とフィリピンの間で毎年実施されている大規模なバリカタン(Balikatan)演習の開始に抗議してサンディケイに上陸して中国国旗を掲げた。フィリピンはそれ以来、この主張に異議を唱え自国の人員を上陸させたが、中国海警はこの海域で活動し続けている。
直近の対立は、米国の対艦ミサイルをルソン海峡のバタネス(Batanes)諸島に展開した毎年恒例の米比カマンダグ(Kamandag)演習の直後に起きた。ルソン海峡は、フィリピンと台湾の間の戦略的に重要な海上チョークポイントであり、南シナ海と西太平洋の間のパイプとして機能している。中国がこの海域を管制することは、台湾を包囲し制海権を確保するうえで極めて重要である。中国当局者やメディアは、南シナ海におけるフィリピンとの対立を、最近のフィリピンと米国の軍事協力の進展という文脈で捉えている。
参考資料:”China-Taiwan Weekly Update, May 30, 2025,” (May 30, 2025 – ISW Press)