ロシアのスパイ船「ヤンタル(Yantar)」はこれまでにも英国軍とゴタゴタを起こしたことがあるが、今回はスコットランド北部沖で英国空軍パイロットにレーザーを照射し、強い非難を受けている。
数週間来、英海軍はType 23フリゲートとP-8Aポセイドン哨戒機を派遣し、ロシア国防省深海研究本局(GUGI)に属する海底スパイ船「ヤンタル」の活動を監視していた。この局は、海底センサーの設置や重要インフラの破壊工作のために建造された小型潜水艇を運用している。「ヤンタル」はこの有人潜水艇「プロジェクト16810ルス(Rus)級」を展開するためのプラットフォームで、チタン製の船体で水深20,000フィート(約6,000メートル)まで潜航できる能力がある。
ロシアによる海底ケーブルやパイプラインへの脅威は、英国の防衛計画者にとって最重要課題であり、「ヤンタル」はその脅威の象徴だ。イギリス軍がスコットランド沖で同船を追跡している間、「ヤンタル」の乗組員は「非常に危険な」方法でイギリス機にレーザーを向けたのだ。


ヒーリー国防相は、ヤンターが行動を変えた場合に備えて軍事的選択肢は用意していると語り、「私のロシアとプーチンへのメッセージはこうだ。『我々はおまえ達を注視し、何をしているかはわかっている。もし今週「ヤンタル」が南へ向かっても、我々は準備万端だ。』」
ロンドンのロシア大使館は同船の「不適切な行為」を否定し、英国政府を「嫌露症」と「軍国主義的ヒステリー」と非難した。大使館は英国に対し、ヨーロッパ大陸の危機状況を悪化させる可能性のある破壊的な措置を取らないよう求めた。
今週初めには、ロシアが支援する破壊工作員がポーランド東部の戦略的鉄道線路を爆破した。ポーランド当局によると、線路に生じた隙間を早期に発見したことで民間人の犠牲は免れた。この事件を受けてポーランド政府は国内最後のロシア領事館を閉鎖し、ロシアを国家テロリズムで非難し、4人の容疑者を逮捕した。残りの容疑者の追跡が進行中である。
参考資料:”UK Accuses Russian Spy Ship of Aiming Laser at Surveillance Aircraft,”(Published Nov 19, 2025 5:21 PM by The Maritime Executive)