EUの「アスパイデス(Aspides)海軍ミッション」の指揮官によると、紅海の海上輸送量は2024年8月に20〜23隻/日という低水準に落ち込んで以降、60%増加し36-37隻/日となったが、イエメンのフーシ派が同海域の船舶を攻撃し始める前に見られた72〜75隻/日にはまだ及ばないという。
バブ・エル・マンデブ海峡を通峡する商船の数は、アメリカと反政府勢力が停戦協定に署名した後、フーシ派によるミサイルと無人機攻撃が減少したことから増加に転じた。
このミッションは、スエズ運河を通じて地中海とアジア湾を結ぶ戦略的な貿易ルートの航行を保護するために開始されたが、2月に延長され、違法な武器輸送を追跡し制裁対象のロシア産石油を運ぶ船舶を監視する任務も追加されている。
フーシ派からの商船に対する最後の攻撃は2024年11月以降ないが、フーシ派がイスラエルの船舶やイスラエルと関係のある船、またはイスラエルの港に停泊した船に標的を絞り込んでいるためと見られている。
一部の船社は、護衛を受けるのに1週間ほど待たされる可能性があるため、このルートの使用を思いとどまっている。現在のミッションは一度に2隻から3隻の護衛艦艇を運用しているが、EUに対して護衛能力を高めるために10隻の艦艇を派遣するよう要請しているという。
このミッションでは、476隻の商船を護衛し、18機の無人機を撃墜し、艦船を攻撃するために使用された2隻の遠隔操作ボートを破壊し、4発の弾道ミサイルを迎撃している。
参考資料:”Red Sea Shipping Traffic Rises After Houthis Narrowed Targets,” (Reuters, June 5, 2025)