グテーレス国連事務総長は、安全保障理事会の開会演説において、フーシ派の商船への攻撃、アデン湾と地中海での密輸、ギニア湾での無数の犯罪など、世界の海上航路とそれに依存する人々が「明確なSOS」を発信しているとし、「海上安全保障なくして、世界の安全保障はあり得ない」と述べた。
同理事会でのブリーフィングで、ギリシャ船主連合の会長でネプチューン・グループ・オブ・カンパニーズの会長であるメリナ・N・トラブロス氏は、「海運はますます「兵器化」されている。海賊行為は進化しており、後退していない」と警告した。
トラボロス氏は、犯罪統計を強調して、2024年には116件の事件が報告され、2023年に比べ35%増加したと述べ、組織犯罪、麻薬密輸や人身売買、そしてサイバー戦争の脅威の高まりを指摘した。
米国は、シェイ代理大使がリベリア、パナマ、マーシャル諸島によって設立された船籍情報共有協定について強調した。彼女は、現在、船舶の20%以上をカバーする15の船籍登録国が含まれているとし、船籍の偽装を防ぎ、国連制裁違反を含む違法行為を止めるのに重要なツールとなると述べ、より多くの船籍登録国がこの取り組みに参加するよう促した。
しかし、ロシアのネベンジャ常駐代表は、NATO諸国の取り組みを「バルト海賊」の出現と呼び、西側諸国は海上貿易に対する人為的な障害や脅威を作り出すことで、海上での違法行為を正当化していると述べた。西側諸国の「影の船団」に対する取り組みを批判したのだ。
彼は、「新たに誕生したバルト海賊と、彼らのEUのチアリーダーたち」の行動は、「航行の自由と、平和的な通航または通過する権利に対する甚だしい侵害」だと述べた。また、国際組織犯罪、違法な武器取引、麻薬密売、人身売買、海洋資源の違法な搾取など、議論されている問題のほとんどが安全保障理事会の権限外だと主張した。
参考資料:”UN Says Global Security Depends on Maritime Security,” (Published May 21, 2025 4:33 PM by The Maritime Executive)