デンマーク軍は、近い将来、グリーンランドとその周辺でより存在感を高めるだろう。現在、フリゲートとヘリコプター2機が北極圏での軍事作戦を強化するために配置されており、戦闘機の配備も予定されている。
夏の間、デンマーク軍はグリーンランドの海、陸、空でのプレゼンスを高める。その目的は、北極圏におけるデンマーク軍の作戦能力を向上させ、グリーンランドの安全保障を支援することである。グリーンランドのナーラッケルスイソク(Naalakkersuisoq:外務担当大臣)であるビビアン・モッツフェルト(Vivian Motzfeldt)は、トランプ米大統領がグリーンランドを支配するという発言を繰り返したことに触れつつ、「安全保障政策の状況は、軍がグリーンランドとその周辺で活動する能力を実践することを求めている」と語った。
いくつかの部隊が移動している。6月10日、デンマーク軍は、2機のEH-101マーリンヘリコプターとフリゲート「ニルス・ジュエル(Nils Juel)」が到着したことを発表、ヘリコプターは作戦任務を支援し、フリゲートはグリーンランド南部沖の海域をパトロールする。さらに、F-16戦闘機がカンゲルルススアーク(Kangerlussuaq)に配備され、島の西海岸をパトロールする。軍のプレゼンスの強化には、重要インフラ周辺で訓練や演習を実施する特殊部隊も含まれる。
さらに、グリーンランドの北極圏基礎訓練プログラムに学生が参加することで、重要インフラの警備が強化される。「ナーラッカースイスト(Naalakkersuisut:グリーンランド行政府)にとって、地元の関与を確保することは優先事項であり、そうすることで、我々国民は国の安全保障への貢献を強化できる。北極圏の基礎訓練プログラムの学生がミッションに貢献するのを見るのを楽しみにしている」とモッツフェルト氏は述べた。
緊密な協力関係
軍事的プレゼンスをさらに強化するための措置は、デンマークの国防大臣であるトロエルス・ルンド・ポールセン、国防長官のマイケル・ウィガース・ヒルドガード、およびグリーンランド政府のナーラッケルスイスットとの間の対話に基づいて策定されている。
「国防大臣に就任して以来、北極圏の安全保障を強化することは私にとって最優先事項であり、ナーラッケルスイスットとの緊密な協力を高く評価している。軍隊のプレゼンスの増加にあたっては、グリーンランドの地域の状況と安全保障政策上の課題を考慮してゆく」とポールセン氏は述べている。



参考資料:”Denmark’s Armed Forces Increases Its Presence in Greenland,” (by Astri Edvardsen, HIGH NORTH NEWS, 2025年6月11日)