・イスラエルは6月12日、イランの核開発計画と政権指導部を標的とした空爆を開始し、イランによる核開発計画の「脅威を弱体化させ、破壊し、取り除く」ことを目的とした。6月12日から13日にかけての空爆は、複数のイスラエル当局者によると、数週間にわたる空爆作戦の始まりである。この初期段階では、これらの目標に基づいてイスラエルの空爆作戦の成功または失敗を評価することは困難である。

・イスラエルの攻撃は、イランが迅速に対応するの困難にすることを意図していた。このため、イランの防空網の抑圧、イスラエルに対するイランの報復能力の減殺、イランの指揮統制の混乱が含まれていた。

・イスラエルは、イランのウラン濃縮能力を麻痺させる取り組みとして、6月12日と13日にイランの核インフラを標的にした。イスラエルは、エスファハンの核施設であるナタンツで濃縮施設を攻撃した。フォルドウまたはその近くで、おそらく防空システムを標的とした攻撃がなされたとの未確認の報告がある。

・イスラエル国防軍は、ケルマーンシャー州の主要なミサイル基地を含む複数のイランの軍事目標も標的にした。

・イスラエル国防軍は、イランの核研究ネットワークの著名なメンバーを標的にした。イスラエルは、6月12日と13日に、シャヒード・ベヘシュティ大学のイランの上級核科学者5人を殺害した。

・不特定のイラン情報筋がニューヨーク・タイムズ紙のジャーナリストに語ったところによると、イスラエルの攻撃でIRGCコッズ部隊司令官エスマイル・ガーニ准将が死亡したという。イランは、殺害された司令官を、政権に長年従軍した実績を持つ他の高官に交代させた。

・イランは、イスラエルによる最初の攻撃から約18時間後に、イラン領土からイスラエルを標的とした第2波弾道ミサイル攻撃を行った。この報復は、現時点では効果がなかったか、限定的であったように思われる。

・「抵抗の枢軸」におけるイランのパートナーと代理人(フーシ派を除く)は、イスラエルの攻撃を非難する一般的な声明を発表した。当事者たちは、イランのために介入する気配はなく、イスラエルとの長年の戦いの後、彼らがどれほど弱体化しているかを反映している。フーシ派は、攻撃後にイスラエルを標的にした唯一の枢軸国パートナーだ。

・アメリカのドナルド・トランプ大統領は、もしイランがアメリカ合州国との核合意にコミットしなければ、イランに対する「さらに残忍な」攻撃が続くと警告した。その後、イランは、アメリカ-イラン核交渉から撤退したと発表した。

・アメリカ海軍は、おそらくイスラエルの弾道ミサイル防衛を支援するため、駆逐艦「トーマス・ハドナー(USS Thomas Hudner(DDG-116))」を東地中海に配備した。