フーシ派が紅海での商船に対する攻撃をエスカレートさせる中、地域海軍は作戦連携を構築する取り組みを再開している。先週、IMO主導のジブチ行動規範/ジェッダ改正案(Djibouti Code of Conduct/Jeddah amendment, DCoC/JA)に基づき、この地域における海軍協力の合理化を目的とした新しい作業部会を発足させた。DCoC/JAには、西インド洋とアデン湾の21の加盟国が含まれている。この地域には、EUNAVFORアタランタや連合海上軍(CMF)など、いくつかの国際海軍機動部隊が展開しているが、地域海軍の参加は限られている。
現在、既存の地域海軍協力の枠組みは、モーリシャスに拠点を置き、西インド洋の島嶼国5か国の利益を代表する政府間機関であるインド洋委員会(Indian Ocean Commission, IOC)の下にある。IOCの海洋安全保障の枠組みの下には、西インド洋の海洋脅威に対する地域の対応の調整を支援してきた2つの地域センターが設置されている。1つ目は、マダガスカルに拠点を置く地域海洋情報融合センター(Regional Maritime Information Fusion Center, RMIFC)であり、もう1つは、セーシェルの地域作戦調整センター(Regional Coordination of Operations Center, RCOC)だ。
新しいワーキンググループにより、DCoC/JAはこれらのセンターの運営を拡大し、紅海南部にまで及ぶ大規模な活動を可能にしようとしている。さらに、この地域で活動する国際海軍は違法な海上活動に従事した容疑者を訴追することができないため、強化された地域的アプローチでは、海上犯罪を法的に完結させることを目指している。
作業部会の立ち上げ後、ケニアと南アフリカはIMO(国際海事機関)で資金調達活動を主導することを申し出た。作業部会は今後3年以内に地域海軍演習の開催を開始する予定だ。
この地域的な取り組みは、西インド洋における海洋上の脅威が高まっている時期に行われた。現在進行中の紅海危機からほぼ700日が経過しており、アデン湾海域での武器密売が増加していると報告されている。今年初め、治安機関はソマリアの民兵組織アル・シャバーブとイエメンのフーシ派との関係強化を確認した。これを放置すれば、この地域の商船をさらに不安定化させる可能性がある。これまでのところ、米国アフリカ軍(AFRICOM)はソマリアで数十回の空爆を実施しており、主にプントランド地域のISIS-ソマリア戦闘員の隠れ家を標的にしている。
参考資料:”IMO-Led Initiative Boosts Naval Cooperation in Western Indian Ocean,”(Published Sep 7, 2025 11:07 PM by The Maritime Executive)