終戦の詔勅 海軍の関係の深かった安岡正篤は、終戦の詔勅の刪修(さんしゅう、添削のこと)者として知られている。安岡は、終戦の詔勅について、内閣官房の原案に「万世の為に太平を開かんと欲す」、「義命の存する所」の二句...
聯合艦隊解散の辞 私(元海軍中将清水光美(兵36))が少尉で秋山真之大佐が艦長の「橋立」航海士であったとき、「聯合艦隊解散の辞」について「どうしてあんな名文が出来たのですか」と無遠慮にお尋ねしたことがある。 秋山艦...
軍務局第一課長-井上成美 昭和8年3月に軍令部長から大臣宛に軍令部令及び省部互渉規定改正の商議が来た。その内容は統帥に関する事項の起案伝達等の権限はみな軍令部によこせというもので、警備、実施部隊の教育訓練、編成も全部統帥事項...
門外漢の海への思い 海軍、海上自衛隊の特質として「一致団結、旧套墨守」とか「伝統墨守、唯我独尊」と揶揄などされると、伝統(旧套)墨守については言われていることも分かりやすく、我々も「よい伝統」の継承に努めなければと多少...
米内さんの遺言 昭和20年11月30日、明治5年2月に設置されて以来、満73年9ヶ月で海軍省が廃止された。阿川弘之著『米内光政』(1994年、新潮社)に描かれた海軍省最後の日。 米内は、「三年有余の苦闘遂に空しく...
型破り指揮官-黛 治夫 寺部甲子男元海将の「ある先輩のこと」という一稿。 もう十何年も前のことになるが、黛治夫(海兵47期)著『海軍砲戦史談』という本を見つけた。書名の下には「砲将東郷砲を愛して大勝し、空将山本砲を侮...
イギリス海軍の弟子 「型破り指揮官」黛治夫が『海軍砲戦史談』で語る日本海軍の大欠点。 日本海軍は、1873年(明6)のダグラス少佐率いる教官団が来てから1923年の日英同盟解消まで、イギリス海軍を師範として発達し...
事実・虚構・真実 吉田満「戦艦大和ノ最期」の中に幾つか極めて印象的な場面が出てくるが、土橋久男氏(兵科4期予備学生)が「「松井中尉の場合」考」として「事実・虚構・真実」のあいだの微妙な相関関係を語っている。 ひとつ...
闘魂について 闘魂とはFighting spiritの訳文である。闘志とか闘争精神とかでも結構であろうと思うけれども、攻めることだけを強く奨励しているかのようであるのでわざと闘魂と訳したに過ぎぬ。 形勢これを許...