下僚の心遣い 私(元海軍大将吉田善吾(海兵32期))が第三艦隊参謀(少佐)にとられたとき、村上格一長官は小柄でチョコチョコして堂々たる将軍らしいところはないが、細心雄大で、すべてやることは計画的実質的で、私にとっ...
空気と戦争 2007年2月9日、衆議院予算委員会で、石破茂元防衛庁長官が次のように発言している。 「昭和16年4月1日に、今のキャピトル東急ホテルのあたり、首相官邸の近く、当時の近衛内閣でありますが、総力戦研...
前動続行の人 前動続行型の人物とはどういう人物なのであろうか。前動続行型の人物とは、大過なく自分の職務を遂行することを信条とし、百の業績をあげるより一つの失敗もしないことが出世への早道であるという哲学を身につけて...
誠実の人たれ 吉田俊雄(海兵59期)著『海軍式経営学』(1964年、文藝春秋)によると、海軍における人選び、人に対する評価は以下のようなものだったという。 「兵学校では生徒に対し、誠実と責任感を徹底的に吹き込む...
命令下達・受令の心がけ 命令下達の10ヶ条の想を練っていたら、大西瀧治郎元海軍少将(海兵40期)著の統率学の中に17ヶ条を発見した。これは昔も今も変りない立派な訓えであるのでそのまま書くことにする。 ①命令事項は自己の職...
独断専行について 「戦道必ず勝たば、主は戦う無かれと曰うとも必ず戦いて可なり。戦道勝たずんば、主は必ず戦えと曰うとも戦う無くして可なり。故に進んで名を求めず、退いて罪を避けず、唯だ民を是れ保ちて而して利の主に合うは、...
簡短便捷、ドンピシャリ 海軍は、日本の近代経営の先駆者でもあったと言われることがある。元海軍主計中尉の和田良信氏による「迅速正確(どんぴしゃり)ヲ旨トスベシ-海軍式事務管理の要諦」という一文。 氏によれば、海軍事務処理の...
終戦の詔勅 海軍の関係の深かった安岡正篤は、終戦の詔勅の刪修(さんしゅう、添削のこと)者として知られている。安岡は、終戦の詔勅について、内閣官房の原案に「万世の為に太平を開かんと欲す」、「義命の存する所」の二句...
聯合艦隊解散の辞 私(元海軍中将清水光美(兵36))が少尉で秋山真之大佐が艦長の「橋立」航海士であったとき、「聯合艦隊解散の辞」について「どうしてあんな名文が出来たのですか」と無遠慮にお尋ねしたことがある。 秋山艦...