日本の戦争指導 支那事変の頃、陸軍から海軍に対して大本営令改正の商議があったのであるが、それは昭和13年頃と記憶している。当時は近衛首相、海軍は米内海相、軍務局長は井上(成美、後大将)、陸軍は杉山陸相、閑院宮が総長...
ネルソン-12 Leadership traits ネルソンの卓越した統率に見る12のLeadership traits(統率上の特質) 1 Humanity and a Sense of Identification: 部下の信頼と心服(Inspi...
積極論を慎重論で抑える「秘策」 高木惣吉少将(海兵43期)が「現代戦争論」(『高木惣吉少将講話集』(1979年))の中で語る会議の秘策。 戦時においては、特に景気のよい積極論が大勢を支配しがちであり、これを慎重論で抑えるのは公開...
身の危険を顧みず 有事の統率ということを考えた場合、特攻の問題や、特攻に言及しないまでも死生の問題に触れざるを得ないであろう。そこで想起されるのは「事に臨んでは危険を顧みず」という服務の宣誓である。 昭和25年に創...
古典兵学における精神的要素の評価 高木惣吉海軍少将(海兵43期)が評価する古典軍事学にあらわれた精神要素の大要。 ジョミニの兵術要論(Precis de l’art de la Guerne)には、将帥の資質として、① 大決心をな...
警戒について 勇往邁進の気迫も果敢なる攻撃精神も勝負の世界では必要欠くことのできない絶対的要件である。ただ、これをうちに収めていながら、一撃必倒の間合いまでじりじりと距離を縮めてゆく段階で最も重要なことは警戒とい...
目的について 台所に魚を取りだしたお母さんが、子供に「猫を見といてね」と声をかけ用事に出かける。子供は縁側で昼寝している猫を発見、監視している間に別の泥棒猫が台所の魚を襲撃する。帰ってきたお母さんに、「何を見てい...
闘魂について 闘魂とはFighting spiritの訳文である。闘志とか闘争精神とかでも結構であろうと思うけれども、攻めることだけを強く奨励しているかのようであるのでわざと闘魂と訳したに過ぎぬ。 形勢これを許...
戦場心理-中村悌次 私(中村悌次(海兵67期)元海幕長)が海軍に入ったのは、しっかりした考えがあってのことではなく、親しい友人の勧めるままに兵学校を受けた次第である。入校して先ずショックを受けたのは、ある指導官から「お...