日本最初の海防論 戦前の教科書「尋常小学國史」(大正9年文部省)にはこうある。 寛政の三奇人と呼ばれたる人に林子平あり。仙台の人にて、若き時より学問、武芸に励み、殊に地図を見ることを好みて、終日食事をさえ忘るるほどな...
沈勇の智者-加藤友三郎 大正10年の皇太子御訪欧(御召艦「香取」、供奉艦「鹿島」)の話。この欧州各国巡遊については、相当に激しい反対もあった中、実現したのは原総理と加藤友三郎海軍大臣(海兵7期)の力によるところが大きかった...
近代海戦の起こりと変革 高木惣吉少将(海兵43期)が語る近代海戦の変革。 オックスフォード大学の戦史教授シライル・フォールスは、主として使用兵器による区別から近代海戦をクリミヤ戦争以後と言っている。陸戦でいわゆる近代戦時...
「戦史叢書」における陸海軍戦史 戦史叢書といえば、全102巻と資料集2巻からなる最も権威ある公刊戦史といえる。現在ではオンラインで閲覧できるようになっているのだが、戦史の記述が何かと陸海軍別々になっているのは仕方のないことかくらい...
下僚の心遣い 私(元海軍大将吉田善吾(海兵32期))が第三艦隊参謀(少佐)にとられたとき、村上格一長官は小柄でチョコチョコして堂々たる将軍らしいところはないが、細心雄大で、すべてやることは計画的実質的で、私にとっ...
空気と戦争 2007年2月9日、衆議院予算委員会で、石破茂元防衛庁長官が次のように発言している。 「昭和16年4月1日に、今のキャピトル東急ホテルのあたり、首相官邸の近く、当時の近衛内閣でありますが、総力戦研...
前動続行の人 前動続行型の人物とはどういう人物なのであろうか。前動続行型の人物とは、大過なく自分の職務を遂行することを信条とし、百の業績をあげるより一つの失敗もしないことが出世への早道であるという哲学を身につけて...
誠実の人たれ 吉田俊雄(海兵59期)著『海軍式経営学』(1964年、文藝春秋)によると、海軍における人選び、人に対する評価は以下のようなものだったという。 「兵学校では生徒に対し、誠実と責任感を徹底的に吹き込む...
命令下達・受令の心がけ 命令下達の10ヶ条の想を練っていたら、大西瀧治郎元海軍少将(海兵40期)著の統率学の中に17ヶ条を発見した。これは昔も今も変りない立派な訓えであるのでそのまま書くことにする。 ①命令事項は自己の職...