米韓政府は14日、3,500億ドルの対米投資ファンドに関するMOUを締結。韓国側は、韓国の産業資本の多くが米国に流れることになるため、将来の国内投資計画に影響を及ぼす可能性を懸念している。このため、国内支出の継続を約束し、韓国国内の米国顧客向けに米海軍艦艇を含む製品をさらに生産することでバランスを取ろうとしていると朝鮮日報(Chosun Daily)とマイイル・ビジネスニュース(Maeil Business News)が報じた。イ・ジェミョン大統領も先週、韓国国内での米海軍艦艇の建造を可能にする制度的改善を模索することを決定したと述べた。
現在、米海軍が外国の造船所から艦艇を購入することは法律で禁止されており、それを行うには米国の法令(10 USC §8679)を変更または放棄する必要がある。
朝鮮日報によると、この計画は給油艦などの補助艦艇のオーバーホールから始め、その後、戦闘艦艇のオーバーホールに進み、そして最終的に軍艦の外国建造を禁止する法を回避することができた場合にアメリカ海軍の新造建造契約を追求するとしている。
最初のステップはすでに完了しており、今年初めに弾薬補給艦「ウォーリー・シラ(Wally Schirra、T-AKE-8)」の修理を完了させた。現在は第二段階が進行中であり、先週正式に成立した合意に基づき、米韓は造船および整備・修理・オーバーホール(MRO)における協力をさらに拡大することになった。これには戦闘艦艇も含まれている。
艦船修理を超えて新造を含むには、米国内での法的手続きが必要となる。トランプ政権は外国造船所の法的要件を免除できる権限を持っている。すでにホワイトハウスは、議会からの大きな反発なしにフィンランドの造船所から沿岸警備隊の砕氷船を購入している。これは、韓国と米国間の関係にも適用される可能性があると期待されている。
韓国はもう一つ小さな政治的障害があると指摘している。議会は現在、毎年の防衛予算法案に外国製禁止条項を挿入しており、大規模に発注を進めるにはこれも免除される必要がある。
米海軍制服トップのダリル・コードル(Daryl Caudle)大将は15日、世界有数の造船・防衛システム業者であるハンファ・オーシャン(Hanwha Ocean)造船所でオーバーホール中の補給艦「チャールズ・ドリュー(Charles Drew)」を視察した。同造船所では、2024年から弾薬補給艦「ウォリー・シラ(Wally Schirra)」および給油艦「ユーコン(Yukon)」の修理を開始している。
同社の新たに完成した4号特別船舶プラントは、機器およびエネルギー管理のためのAIベースの統合制御システムを備え、カーボンニュートラルな運用を支援するよう設計されており、切断、曲げ、その他の製造工程に自動化されたパイプ生産システムも導入されている。
同社の経営陣は、米海軍の支援艦艇のMRO(maintenance, repair and overhaul)から、戦闘艦艇のMRO、そして最終的には海軍艦艇の新造プログラムへ事業を拡大する計画を説明した。同社のキム・ヒチョル(Hee-cheol Kim)CEOは、我々は米海軍で最も信頼できるパートナーであり、韓米同盟の強力な貢献者であり続けることを目指しており、MASGA(Make American Shipbuilding Great Again)プロジェクトとその成功を支援する準備が十分に整っていると述べた。
コードル大将は17日には現代重工業を訪問し、艦隊のレディネス、技術協力、サプライチェーンの統合に焦点を当て、MASGAの下での協力について話し合うとともに、最近進水したイージス駆逐艦や214 級潜水艦 のオーバーホールを視察した。コードル大将は、米韓パートナーシップは、地域の安全保障と海軍力の将来にとって不可欠であると述べた。
参考資料:”U.S. Navy CNO Visits Hanwha Ocean Shipyard,”(Published on 17/11/2025, Naval News)
“U.S. Navy CNO Visits HD Hyundai Heavy Industries,”(Published on 17/11/2025, Naval News)
“South Korean Yards Want to Build U.S. Navy Ships in Korea,”(Published Nov 16, 2025 5:25 PM by The Maritime Executive)