ドイツ海軍は、ウクライナへの資金提供に関する欧州連合首脳会議の期間中、地域防空用としてフリゲートをコペンハーゲンに配備した。デンマークは、コペンハーゲンの主要空港をドローンが飛び交い、数十便を運航停止させた9月22日以来、軍事基地や重要インフラ上空でのドローン活動を懸念している。
ドイツのザクセン級フリゲート「ハンブルク(Hamburg)」は、海上でのグレーゾーン事態に対処するNATOの「バルティック・セントリー」作戦の一環としてバルト海中央部で哨戒していたが、現在は空港から6マイルの距離にあるコペンハーゲン中央港のカステレット要塞の隣の岸壁に停泊している。同艦は、SM-2とシースパロー地対空ミサイルに加え、5マイル以内の脅威に対処するためのRAMを搭載している。ドイツはまた、EU会議中にデンマークに陸上対ドローンシステムも提供している。
デンマーク政府は9月29日から10月3日まで、同国領空におけるすべての民間ドローンの運用を禁止した。違反者は、最高2年の懲役または罰金に処せられる。デンマークでは、軍事基地上空でさらに新たなドローンが目撃されており、当局は、ロシアの可能性も排除していない。
ロシア軍はここ数週間、明らかな探査作戦としてNATOの東部の領空を繰り返し侵犯している。コペンハーゲンへの侵入ではロシアとのつながりが示唆されており、ドローンの発射台として疑われる3隻の船舶はすべてロシアとのつながりがあった。調査報道機関「ダンウォッチ(Danwatch)」によると、そのうちの1隻、ノルウェーが所有する「オスロ・キャリア3(Oslo Carrier 3)」は、ロシアの民兵組織RSBグループと関係があるという。ダンウォッチによると、この事業者はロシアのバルト海飛び地であるカリーニングラードに拠点を維持しており、その責任者はRSBの所有者と緊密な協力関係にあるようだ。RSBは、他のロシアの民兵組織と同様に、クレムリンの軍事体制と密接に連携していると考えられている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、規制が不十分なタンカーからなるロシア向けの「影の船団」がヨーロッパにおける悪質な秘密作戦の発射台となる可能性があると警告した。同大統領は「今回(コペンハーゲンでの無人機襲撃)の事案は、少なくともバルト海やその他の海域をロシアのタンカーに対して閉鎖すべきだというさらなる証拠だ」と述べた。
参考資料:”NATO Moves Frigate to Copenhagen to Counter Mysterious Drone Threat,”(Published Sep 28, 2025 8:30 PM by The Maritime Executive)