オーストラリアが生産を開始した無人潜水艇は、有人潜水艦の運用負担を軽減し、最も危険な海底任務を遂行し、敵に被探知と被攻撃のリスクを高めることになるだろう。豪政府とアンドゥリル(Anduril)社は、ゴーストシャークス(Ghost Sharks)と呼ばれる潜水艇に組み込まれる技術についてほとんど公表していないが、少なくとも、電波情報収集、艦艇や潜水艦の探知、機雷敷設が含まれることになるだろう。

政府によると、9月10日に発表された17億豪ドルの5年間契約には、2026年初頭に就役を開始する数十隻のゴーストシャークの第1バッチの生産が含まれるという。同無人潜水艦は、長距離自律型水中能力という点では世界有数の能力を持つとされ、仕様は非公開だが、全長12m未満で、排水量は100トン未満である。

ゴーストシャークの役割は、通信とレーダー情報を収集するという潜水艦の伝統的な役割で、このために適切な海域を徘徊することになる。これにより艦齢が22~29年に達している豪海軍の有人潜水艦の運用負担が軽減されるはずだ。ゴーストシャークのベースとなっている自律型潜水艇「ダイブXL(Dive-XL)」の航続距離は速力3~4ノットで数千マイルといわれている。また、ゴーストシャークは船で目的地まで運ぶことができるので運用範囲はかなり広くなることになる。

ゴーストシャークは、艦艇からの音を探知するためのソナーと曳航アレイソナーを装備していると考えられ、水面近くまで浮上して探知した目標情報を報告できるはずだ。これによりP-8Aポセイドン哨戒機などの他のビークルによる攻撃のキューイングを行える可能性がある。

ゴーストシャークは、低速なため魚雷攻撃よりも機雷敷設に適している。これは有人潜水艦が近づきにくい危険な海域、おそらく港湾にさえ侵入することができるだろう。さらに、平時のうちに進出し、海底で長期間待機できる点も特徴だ。多数のゴーストシャークにより、豪海軍の対潜戦能力は大幅に向上するはずだ。

参考資料:”Australia is Buying Dozens of Autonomous Subs. What Will They be Used For?,”(Anduril Courtesy Defence Australia, Published Sep 14, 2025 8:54 PM by The Strategist)