北極圏の夏の航行シーズンが本格化する中、中国船社は、ヨーロッパへの短縮ルートとして北極圏を通るコンテナ船を運航している。

中国の「ニューニュー・シッピング(Newnew Shipping)」社は、2023年以来、北極圏の運航を拡大し続けている。同社は昨年、約20,000個のコンテナを積んでロシアの北極海航路を13回航海した。同社は、北極圏を通過する2隻のコンテナ船を保有しており、少なくとも3隻の船舶がこの航路の許可を保有している。

「ニューニュー・ポーラーベア(Newnew Polar Bear)」は7月16日に上海を出発し、ロシア極東のナホトカに寄港した後、北極に向けて進路を定め、8月15日までにロシアのアハンゲリスク港に到着する予定だ。

同船が北極海とヨーロッパ海域に帰還するのは、バルト海での「バルトックコネクタ事件」に巻き込まれた2023年以来初めてとなる。調査の結果、「ニューニューポーラーベア」は錨を数百マイルも引きずり、海底ケーブルに損傷を与えたと結論付けられた。同船の船長は現在、中国で裁判を受けている。

3,534TEUの「ニューニュー・スター(Newnew Star)」は、7月20日に天津を出港し、サンクトペテルブルクへ向かう途中だ。スエズ運河を経由する従来の航路では約40〜50日かかるのに対し、今夏は約4週間で済む。

福建恵海海運有限公司が運航する2,500TEUの「恵大9号」は、7月20日にサンクトペテルブルクを出発し、中国東部の日照へ向かった。同社は、ロシアの北極海航路に新規参入し、北極圏航路で約3週間短縮できると見込んでいる。

少なくともさらに12隻のコンテナ船がロシアの北極海航路の許可を取得しているが、同航路のコンテナ輸送は、7月から11月までの4〜5か月の期間に制限されている。中国船社は2030年までに北極海航路を経由する通年航路の開設を目指している。「ニューニュー・シッピング」は、ロシアの国営企業「ロスアトム」と協力して、4,400TEUの5隻のArc7アイスクラスコンテナ船を発注する予定だ。

「我々は現在、4,400TEUのArc7アイスクラスコンテナ船の設計と建造の発注問題に取り組んでいる。すでにその建造を請け負える造船所を決定しており、ロシアと中国の当局によるプロジェクトに対するさまざまな支援策を検討している」とロスアトムの代表、ウラジミール・パノフは最近述べた。

このルートが通年輸送回廊に変えられるかどうかはまだわからない。ロシア当局は、この航路に沿った通年輸送を促進する計画を繰り返し発表してきたが、これまでのところ、冬の間この航路を通過した試験航海はごくわずかである。

参考資料:”Chinese Companies Dispatch Multiple Container Ships Along Arctic Route For Faster Europe Trade,”(Malte Humpert, August 4, 2025, gCaptain)