ロシア唯一の空母である艦齢40年の「アドミラル・クズネツォフ(Admiral Kuznetsov)」は売却または廃棄される可能性が高いと、ロシア国営造船会社の会長は7月25日付のコメルサント紙に語った。このアンドレイ・コスティン(Andrei Kostin)会長の発言は、今月初めのイズベスチヤ紙の匿名の情報筋の、同艦の長期にわたる改修と整備作業は中断されたとの報道に続くものだ。
ソ連時代の1985年に進水した同艦は、当時のアサド大統領を支援するシリアでの軍事作戦で、その艦載機が反政府勢力に対して空爆を行った。しかし、ウクライナ戦争では何の役割も果たさず、2017年から運用を停止し、ロシア北方艦隊の拠点に近いムルマンスク地域で近代化改修を行っていた。しかし、その改修工事は、事故や失敗の連続だった。
この空母は、2017年に地中海から帰還する途中、黒煙を吐きながら英国沿岸近くを通過した際、当時のマイケル・ファロン国防相が「恥さらしの艦」と呼び英国で悪名を馳せたことがある。
参考資料:“Russia’s Lone Aircraft Carrier Likely to be Scrapped or Sold, Says Shipbuilding Chief,”(Reuters,
July 25, 2025)