中国海警局(CCG)要員6人が南沙諸島の係争中のサンディケイ(Sandy Cay)に上陸したが、これは米比軍事協力が拡大する中、中国が南シナ海の領有権主張を積極的に追求する姿勢といえる。サンディケイへの上陸は、台湾とフィリピンの間のチョークポイントであるLuzon(ルソン)海峡における米比防衛協力への反対を示している。

サンディケイは、南沙諸島のThitu(ティトゥ)島にあるフィリピンの軍事基地の近くにある。中国中央電視台(CCG)は、中国共産党の将校が礁に中国の旗を立て、領土に対する中国の主権を宣言したと報じた(4月26日)。また、中国はティトゥ島での漁業や環境破壊など、フィリピンによる「違法行為」の証拠を発見したとの報告書を公表した。

一方のフィリピンは、サンディケイ近くの砂州から1,000ヤード離れた場所で中国海警局の船艇と7隻の中国の海上民兵船の「違法な存在」を目撃したと述べている。フィリピンの分遣隊は4月27日にこの地域に上陸した。フィリピン当局は後に、中国が係争中の岩礁で中国が島を軍事化している兆候は見つからなかったとした。

フィリピンと中国はともに、軍事施設の建設と地域阻止能力の配備により、係争地域におけるプレゼンスを高めている。フィリピンは2023年にティトゥ島に監視施設を建設し、島の滑走路やその他の軍事インフラの強化を進めている。中国も同様に地対空ミサイルを近くに配備し、近くのSubi(スビ)礁に格納庫、滑走路、レーダー、深水深の避難港を建設している。

中国は、米国とフィリピンの防衛協力が拡大する中、フィリピンに対するシグナルとしてサンディケイに上陸した可能性がある。中国側の上陸は、台湾南部のルソン海峡での米国とフィリピンのバリカタン軍事演習と同時期に行われた。米国は、ルソン海峡のバタン島での演習の一環として、海軍海兵遠征艦阻止システム(NMESIS)ミサイルを配備したが、これはフィリピンで初めての配備である。4月26日のNMESISの展開により、台湾とフィリピンの間のルソン海峡を通過する中国の船舶が発見されないままでいる能力が脅かされている。

中国のサンディケイ作戦は、米国とフィリピンの軍事協力に対抗する意図を示しており、同海域における中国の既存の主張を拡大することを目指している。中国人民解放軍海軍と中国共産党は、米比協力が強まる中、同様の軍事即応訓練を実施してきた。中国は2025年2月、フィリピンが最北端のバタネス州で兵員数を増やしたことを受けて、合同パトロールを開始した。これは、フィリピン、米国、日本、オーストラリアの間で行われた演習と同時期に行われた。中国は同様に、南シナ海の係争領有権に対する主張を裏付けるために軍事パトロールの定期性を高めている。