英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が8月12日06:45に浦賀水道航路に入り、横須賀港へ向かう旨が東京湾海上交通センターの入航予定情報に出ている。

英「プリンス・オブ・ウェールズ(R09)」空母打撃群(CSG)はフィリピン海で海上自衛隊の「かが(DDH184)」と合同した後、F-35ライティングIIの合同戦闘機能力をテストするなど1週間ほど行動を共にし、日本と韓国の港湾訪問に分かれる。この共同訓練は、「ハイマスト作戦(Operation High mast)」と呼ばれる英国グループの展開の一部となる。

英CSGが搭載するF-35Bは、「かが」とのクロスデッキ発着艦訓練を行う可能性が高い。「プリンス・オブ・ウェールズ」は、英空軍第617飛行隊と第809海軍航空隊の「ダムバスターズ(Dambusters)」で合計18機のF-35Bを保有しているが、F-35Bのうち3機は空母を離れハイタワー作戦の一環として一連の訓練のために韓国に派遣されている。

日本は計画されている42機のF-35Bのうち最初の4機を受領しているが、日本のパイロットは米海兵隊のパイロットの下でB型機を操縦するための訓練を行っている。日本はすでに航空自衛隊(航空自衛隊)でF-35A型機を運用している。

日英は、フィリピン海で米海軍とも共同する予定だと英CSG指揮官のジェームズ・ブラックモア提督は先月シンガポールで述べた。英CSGは、オーストラリアのダーウィンを出港し、6日間のシンガポール寄港の後、日本へ向かった。

それ以来、英国CSGは、米海兵隊の第242海兵戦闘攻撃飛行隊(VMFA)の「バット(Bats)」でF-35BライトニングII戦闘機の訓練を実施してきた。7月20日に英国国防省の画像ポータルで公開された写真には、7月30日に「プリンス・オブ・ウェールズ」の飛行甲板上にVMFA-242の2機、No.25とNo.27が映っていた。この2機の戦闘機が現在も英CSGと行動しているのか、フィリピン海の強襲揚陸艦「アメリカ(America, LHA-6)」に戻ったのかは不明だ。

2機の戦闘機が「アメリカ」から派遣された間、残りの飛行隊は「アメリカ」水陸両用準備グループ(ARG)の第31海兵遠征部隊(31MEU)の航空部隊の一部として米艦に残った。ARGには、「アメリカ」、水陸両用ドック揚陸艦「ラシュモア(Rushmore, LSD-47)」、水陸両用輸送ドック艦「サンディエゴ(San Diego, LPD-22)」が含まれる。ARGとMEUは5月下旬に日本を出港し、「タリスマン・セイバー(Talisman Sabre)演習」に参加している。

英CSGは最近、「タリスマン・セイバー」の一部として米「ジョージ・ワシントン」CSGとの2隻の空母による運用(dual carrier operations)を実施した。オーストラリア主導の演習では、「プリンス・オブ・ウェールズ」と海兵隊のMV-22オスプレイが英空母での発着艦を含む合同訓練も実施した。イギリス海軍は7月23日、海兵隊との共同訓練は、英CSG展開の後半により多くの海兵隊要員とF-35Bが加わる準備だったと発表している。

「プリンス・オブ・ウェールズ」は、日本がパイロットにF-35B空母の運用に慣れるよう取り組む中、合同訓練の一環として海上自衛隊と航空自衛隊の要員を乗せている可能性がある。

2023年、「プリンス・オブ・ウェールズ」が米国東海岸沖で試験を行っている間、海上自衛隊と航空自衛隊の幹部の代表団がF-35Bの運用について研修するために空母に乗り込んだ。日本は昨年のインド太平洋への「カブール(Cavour, 550)」CSGの展開でも同艦での作戦を直接イタリア海軍から学ぶことができた。

「かが」と姉妹艦「いずも(DDH-183)」は、日本のF-35Bのプラットフォームとなる。両艦とも、F-35Bを運用するために元のヘリコプター空母設計から変更が加えられる。「いずも」は現在、2028年に完了する予定の最終段階である改造の第2段階を進行中だ。「かが」は2026年か2027年に第2段階で最終の改造を行う予定だ。「かが」は昨年秋、カリフォルニア沖でF-35Bの試験を実施した。

防衛省が4月に発表したニュースリリースによると、英CSGのうち、駆逐艦「ドーントレス(Dauntless, D33)」とノルウェー海軍のフリゲート「ロアルド・アムンセン(Roald Amundsen, F311)」が8月から9月にかけて日本に滞在する予定だという。

英海軍フリゲート「リッチモンド(Richmond, F239)」、カナダ海軍フリゲート「ヴィル・デ・ケベック(Ville De Quebec, FFH332)」、艦隊給油艦「タイドスプリング(Tidespring, A136)」、スペイン海軍フリゲート「メンデス・ヌニェス(Mendez Nunez, F-104)」は、「タリスマン・セイバー」への参加前に分離され、CSGに先立って日本に到着した。

参考資料:”U.K. Carrier Strike Group, Japan to Test F-35B Fighter Capabilities,”(Dzirhan Mahadzir, August 4, 2025 2:35 PM USNI News)