米海軍は北極圏での関与を強化し続けている。沿岸警備隊は現在、10年以上ぶりにベーリング海で2隻の砕氷船を同時に運用しているが、米海軍はノルウェー軍とともに4隻の艦艇をノース岬沖に派遣した。この週末、艦隊はロシアの北極海に近いノルウェー北端のバレンツ海をパトロールした。

この艦隊は米海軍駆逐艦「マハン(Mahan, DDG 72)」と「ベインブリッジ(Bainbridge, DDG 96)」のほか、ノルウェーのフリゲート「トール・ヘイヤーダール(Thor Heyerdahl, F-314)」と補給艦「モード(Maud, A-530)」で構成されており、ノルウェー海と北海の亜北極海域で演習を行う「ジェラルド・R・フォード」空母打撃群から派遣された。

NATOとの共同作戦で米海軍がノルウェーの北極海域を訪問するのは5年間で3回目となる。これまでの演習には、空母「ハリー・S・トルーマン」と「ジェラルド・R・フォード」のオスロ・フィヨルドとノルウェーの首都への展開が含まれていた。

この夏には、「ニューポート・ニューズ(Newport News, SSN 750)」が米原潜として初めてアイスランドを訪問しているが、米艦隊司令部はバレンツ海演習に関して、「北極圏で活動する信頼できる海軍は、競争相手を抑止し、地域の危機に迅速に対応する能力を確保している」とコメントしている。

先週初め、米国とNATOの航空部隊は、空母打撃群の近くで活動していると推測されたロシアのヤーセン級原子力攻撃潜水艦3隻に対する大規模な捜索を実施した。この3隻の潜水艦はすべて、コラ半島の北極海の潜水艦基地ザパドナヤ・リツァ(Zapadnaya Litsa)から出港した。数機のP-8ポセイドン哨戒機がスコットランド、アイスランド、ノルウェーの空軍基地から出撃し、ノルウェーの中央北部海岸沖の海域に集結した。フライト追跡ウェブサイトのFlightradar24は、48時間に数十回の出撃を記録した。

ノルウェーは、週末、対潜水艦戦用に特別に設計された英国の26型フリゲート5または6隻の調達も発表した。125億ドル相当の購入は、同国による過去最大の軍事費となる。北極海はますます戦略的に重要な海域となっている。

参考資料:”U.S. Navy Destroyers Patrol Arctic Waters In Barents Sea Near Russian Maritime Border,”(Malte Humpert, September 2, 2025, gCaptain)