米国がオーストラリアおよび英国とのAUKUS協定に基づく義務を果たすためには、米国の産業基盤は攻撃型原潜の建造量を倍増させなければならないと海軍トップ候補者が議会で証言した。

ダリル・コードル(Daryl Caudle)海軍大将は、次期海軍作戦部長就任の承認プロセスの一環として上院軍事委員会(SASC)で証言し、オーストラリア海軍(RAN)の潜水艦乗組員を称賛し、AUKUSパートナーシップに関する現在の国防総省全体の見直しは米国の産業能力に関するものであると述べた。

「オーストラリアの水中作戦能力の問題は、私も誰も疑問視していない」とコードル氏はSASCシーパワー小委員会の委員長を務めるティム・ケイン上院議員(民主党、バージニア州)に語った。「しかし、ご存知のとおり、現在国防総省によって検討中のAUKUS協定の第1の柱を履行するために必要な水準には達していない。」

先月現在、国防総省は、米国が史上2度目の核推進技術を外国と共有することになるAUKUSを、トランプ政権の優先事項と一致していることを確認するため再評価している。国防政策担当次官のエルブリッジ・コルビー氏は、米国が暫定的な解決策としてバージニア級攻撃型原潜5隻をRANに売却する一方で、オーストラリアが原子力攻撃潜水艦を維持・建造する国産能力の開発を支援する協定の評価を主導している。

バージニア級をオーストラリアに売却するために、海軍当局者は、米国の産業基盤は年間2.33隻の攻撃型原潜を建造すると同時に、毎年1隻のコロンビア級戦略原潜の建造を行わなければならないと述べた。アメリカの産業基盤は現在、年間約1.3隻の攻撃型原潜しか建造していない。

コードル氏は、ゼネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボートとハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)のニューポート・ニューズ造船所が、現在建造中の攻撃型原潜の2倍の数を建造できるように、米海軍と防衛産業基盤が極めて重要な変化を追求する必要があるというSASC議長のロジャー・ウィッカー上院議員(共和党、ミシシッシ州)に同意した。

「英国とオーストラリアと結んだ実際の協定(年間2.3隻のバージニア級潜水艦)を履行するために、産業基盤が必要な潜水艦を生産できるかどうかを理解する必要がある」とコードル氏は上院議員らに語った。「それには、10%の改善でも、20%でもない100%の改善となる変革が必要である。」

コードル氏は、建造ペースを高めるために、創造性、作業のアウトソーシング、造船所での人員削減の最小化を求めた。同氏は議員らに対し、米海軍が中国海軍に対抗し、世界的な脅威を管理するために現在直面している最大の課題は米軍全体の能力であると語った。

現在は米艦隊司令官を務める潜水艦乗組員出身のコードル氏は、米国艦艇の保守と修理のために国際パートナーと協力することを支持し、他国が米国の能力の課題をどのように支援できるかを評価すると述べた。

「今日直ちに艦艇が必要なので、アメリカの能力を再構築するまでの間、国際的なパートナーを巻き込まざるを得ない」とコードル氏はトミー・チューバービル上院議員(アラバマ州共和党)に語った。「この問題の解決に「魔法の豆」はない。我々が独自の産業基盤強化に取り組んでいる間、我々に猶予を与えるには、国際的なパートナーシップを検討する必要があると思う。」

同盟国やパートナーに船舶の維持と建造の支援を頼る可能性は、昨年超党派の支持を得ている。例えば、軍海上輸送司令部は韓国のハンファ・オーシャンと契約し、補給艦「ウォーリー・シラ(Wally Schirra, T-AKE-8)」の7カ月間に及ぶ整備を実施した。

コードル氏はまた、海兵隊が31隻の水陸両用艦艇を保有するという要求を支持し、海軍が最後に一貫した3個の水陸両用即応グループ(ARG)/海兵隊遠征部隊(MEU)(3.0 ARG/MEU)を維持できたのは1990年代で、当時、艦隊には37隻から40隻の水陸両用艦があったと指摘し、「現在の我々の運用計画では、3.0 ARG/MEU のプレゼンスは 31 隻の戦力では実現できないだろう」と述べた。

海兵隊は、デビッド・バーガー元司令官の下、2019年に水陸両用艦隊38隻を要求することをやめ、それ以来、議会は海軍が31隻の水陸両用軍艦を維持しなければならないことを法律にした。

しかし、海軍の水陸両用艦艇は近年、即応性の課題に直面しており、会計検査院の12月の報告書によると、その即応率は46%(配備に適した時間の割合)が要求されている50%を下回っている。コードル氏は、メンテナンスと交換部品の課題を評価することで即応性を改善する方法について取り組んでいると述べた。

参考資料:”CNO Nominee Caudle Says Sub Construction Pace Needs to Grow to Deliver on AUKUS Promise,”(Mallory Shelbourne, July 24, 2025 5:56 PM USNI News)