4月10日から11日にかけ、中国海警局の4隻の艦艇が金門島の立ち入り禁止海域の異なる海域を同時に行動した。台湾の海巡署によると、中国艦艇は2024年2月以降、金門島海域に68回侵入している。
金門島は台湾が管轄する群島で、中国沿岸から2マイルに位置し、全体が中国の内水に囲まれている。台湾は中国に近接する金門諸島の領海や隣接水域を主張していないが、実質的に同等な「禁止」水域と「制限水域」を設定している。
中国は2024年2月、金門島の規制海域で「法執行」パトロールを開始し、台湾の水域に対する管制を侵食し、同海域における中国の法的管轄権を主張している。それ以来、月に3〜4回の侵入が常態化している。中国海警局は中国共産党傘下の準軍事組織であり、台湾周辺での活動は中国政府の戦略的目標に沿ったものだ。
4月14日、中国の法執行船が原因不明で台湾の馬祖島周辺の禁止水域に別々に侵入した。「海順1620号」と呼ばれるこの船は、中国運輸部傘下の文民法執行機関である中国海事安全局に属する「設標船」である。同船は、航法支援のためのブイを設置するように装備されている。
自動識別システム(AIS)データの追跡によれば、船が南安島周辺の禁止水域に直線的に航行し、島の0.25マイル以内に来てから向きを変えて航行したことが確認されている。台湾海域にブイを設置したかどうかは不明だが、中国はこれまでに南シナ海の係争海域に航行標識を配備したことがある。中国は、紛争海域の支配権を主張する取り組みに正当性をアピールするために、表向きは「法執行機関」の船舶とやり方を使用している。
参考資料:ISW Press「中国-台湾ウィークリーアップデート」(2025年4月18日)、データカットオフ: 2025 年 4 月 15 日