中国とフィリピンは、南沙諸島海域での2件の事案を受け、再び非難の応酬を続けている。中国船による放水銃の使用や「意図的な衝突」を含む「危険で挑発的な操船」があったが、フィリピン側は負傷者を出さすに補給任務を完了した。

中国はフィリピンの行動を「違反と挑発」として、フィリピンに行動の中止を求めている。中国はこの海域に海洋保護区を設置し、フィリピン漁師が環境に害を及ぼしていると主張している。一方のフィリピンは、この海域は自国の排他的経済水域内にあり、環境保護の権限はフィリピンだけであるとしている。

最近の挑発は、10月8日の補給任務において、中国からの実弾射撃演習の警告や漁民とフィリピン政府船の両方を標的とした上空飛行を含むものだった。

しかし、10月11日の任務では、中国の「海警21559」は、フィリピン沿岸警備隊「ダトゥ・パグブアヤ(Datu Pagbuaya)」に放水し、3分後にはフィリピン船の船尾に故意に体当たりした。フィリピンは軽微な構造的損傷を報告している。

10月13日、フィリピンは、軍を配置し漁船が頻繁に出入りするティトゥ(Thitu)島を含む南沙諸島の海域で、さらに2回の補給任務を実施したが、中国海警局と海上民兵の船艇が再び危険なほど接近し、阻止行動をとった。フィリピン沿岸警備隊によると、1回目の現場には海警局の船11隻と民兵の船11隻、さらに人民解放軍のヘリコプターと中国海軍艦艇3隻がおり、フィリピン人は環境保護区にいると主張したという。

この日の2回目の任務の際には、中国海警局の船10隻、民兵の船10隻が関与した。人民解放軍のヘリコプター1機、中国海軍の艦艇2隻、高速艇がすべてフィリピン艦艇を阻止するために使用された。再び中国側は放水砲を用いたが、フィリピン沿岸警備隊の「メルチョラ・アキノ(Melchora Aquino)」と「カブラ(Cabra)」が5隻の水産局巡視船を支援して補給任務をおこなった。フィリピン政府も漁師から漁獲物を購入している。

フィリピン沿岸警備隊のギャバン司令官は、一連の事案の後、中国海警局による干渉や脅しから漁民らの生活を守り、マルコス大統領とともにいかなる外国勢力からも領土の隅々まで守ると述べた。

中国外務省報道官は、責任は完全にフィリピン側にあると述べ、フィリピンに対し「挑発」を止めるよう求めるとともに、中国は引き続き自国の領土を防衛すると述べている。

国際社会は、中国の行動を非難し、フィリピンを支持する新たな声明を直ちに発表した。米国、英国、EU、オーストラリア、日本の大使らは、中国に対し、国際法とルールを尊重、遵守し、フィリピン船舶に対する侵害を止めるよう求めた。

参考資料:”China Uses Water Cannons and Rams Philippine Vessel in New Confrontations,”(Published Oct 13, 2025 1:20 PM by The Maritime Executive)