新たな国家安全保障戦略は最終編集中であり、トランプ政権高官の間で回覧されている。これは今後数週間以内に発表され、その後すぐに国家防衛戦略と世界態勢見直しが発表される予定だ。

トランプ大統領の1期目の戦略は就任1年目に発表されたが、今回の発表もかなり早い時期になるといえる。就任2年目に戦略文書を発表する大統領も多く、9.11やロシアのウクライナ侵攻のような大きな出来事で遅延することもあった。

今回の国家安全保障戦略では、西半球にかなりの焦点が当てられていると見られる。これには、移民、麻薬カルテル、ラテンアメリカとの関係などのトピックが含まれており、すべて米国本土を守るという括りになっている。また、国家防衛戦略は、国家安全保障戦略と同期させることになるため、米国本土と西半球を守ることが最優先事項となるのだが、このことは一部の指揮官を当惑させている。

国家安全保障戦略には、中国に関する個別のセクションがあるが、その内容はベールに包まれている。最近の国家戦略では、西半球への注目がどれだけ高まっても、中国やロシアなどの大国に重点を置くことが多かった。トランプ大統領の第1期の国家安全保障戦略でさえ、主に中国とロシアからの脅威に焦点を当てていた。

しかし、2期目のトランプ大統領は基本的にモスクワとの友好関係を模索し、北京に対してさまざまなアプローチをとろうとしている。なにしろ、今日のトランプ政権は、カリブ海の麻薬密輸容疑者を攻撃するために米軍を利用し、ベネズエラの政権転覆さえ狙っているようだ。

国家安全保障戦略の後には、国家防衛戦略と米軍アセットの配備を左右するグローバル態勢見直しがすぐに続くと予想されている。これらの文書は、ホワイトハウスの補佐官や諜報機関の活動などを含むあらゆるものに影響を与え、国防戦略は特に軍の予算と組織に影響を及ぼすことになる。

今回の戦略の焦点はトランプ大統領の個人的な「執着」を反映して、本人が見たいものを書き込むことになり、トランプ氏が世界をどのように見ているかを理解するのに役立つともいえる。バイデン政権の国家安全保障会議で戦略計画担当を務めた当局者は、大統領の世界観を定めた戦略は「内部関係者にとっては最高司令官が何をしたいかを理解し、部外者にとっては大統領が率いる国に何を期待すべきかを理解するのに役立つ」と述べた。もちろん、トランプ大統領は気まぐれであり、彼の優先順位は簡単に変わる可能性がある。さらに、バイデン大統領やブッシュ大統領が学んだように、戦略とは結局は現実を反映したものにならざるを得ないものなのだ。

参考資料:”Trump’s NatSec Strategy is almost ready,”(By NAHAL TOOSI and GISELLE RUHIYYIH EWING  10/14/2025 04:00 PM EDT, POLITICO)