英国とオーストラリアは、2025年7月26日に二国間原子力潜水艦パートナーシップおよび協力条約(ジーロング(Geelong)条約)に署名した。この条約は、SSN-AUKUS潜水艦の設計、建造、運用、維持、廃棄に関する協力を定めており、AUKUSの「ピラーI」の下での英国とオーストラリアの二国間防衛協力の今後50年間のコミットメントを規定している。
ジーロング条約は、SSN-AUKUS潜水艦の設計、建造、運用、維持、廃棄に関する包括的な協力を可能にする。オーストラリアのSSN-AUKUSプログラムに必要な人員、労働力、インフラ、システム開発を支援するとともに、豪スターリング基地(パース近郊)での英国アスチュート級潜水艦のローテーション駐留(2023年の潜水艦ローテーションフォース・ウエスト・イニシアティブに基づく)を支援するものである。
この条約は、オーストラリア、英国、米国の三国間協力の強力な基盤の上に構築されており、AUKUSパートナーシップの共通の目的を推進しており、SSN-AUKUSと強靭な三国間サプライチェーンの開発が可能になる。
重要なことは、ジーロング条約が、核兵器不拡散条約、南太平洋非核地帯条約とその議定書、オーストラリアと国際原子力機関との保障措置協定、三国間のAUKUS海軍核推進協定(ANNPA)など、オーストラリアと英国のそれぞれの国際核不拡散義務と合致していることだ。
この条約は、ANNPAとともに、オーストラリアと英国がSSN-AUKUSプログラムを通じて最先端の水中戦能力を提供することを可能にし、そうすることで、今後数十年にわたってユーロ大西洋とインド太平洋の安定と安全を支援し、両国の成長の原動力として防衛を推進し、産業基盤とサプライチェーンの構築、業界パートナーに新たな機会を提供し、何千もの雇用を創出することになる。
参考資料:”Australia and UK ink Nuclear-Powered Submarine Partnership and Collaboration Treaty,”(Published on 28/07/2025 Naval News)