今回のインド艦隊の南シナ海への展開では、係争海域でのフィリピンとの初の共同哨戒が行われる予定だ。

駆逐艦「INS Mysoreマイソール(D 60)」、コルベット「INS Kiltanキルタン(D 30)」、補給艦「INS Shaktiシャクティ(A 57)」からなるインドの東部艦隊からの派遣部隊は、海上協力活動に先立って親善活動を行うため30日マニラ港に入港した。インド海軍の艦艇は以前にもフィリピンに寄港していたが、今回はフィリピンの軍事近代化努力と南シナ海に対するインド政府の支援が高まっている中での訪問だ。

フィリピン海軍のジョン・アルコス大佐は、「港湾訪問後、フィリピン海軍とインド海軍の強固な海洋関係をさらに強化するために海上協力活動が実施される予定だ」と語った。

両国は南シナ海で多数の訓練を実施してきたが、インド海軍がフィリピン軍との海上協力活動に参加するのは今回が初めてとなる。共同航行、海上パートナーシップ演習など、これまでの海軍同士の活動と比較して、海上協力活動は部隊の相互運用性に取り組み、中国との対立の中でフィリピンへの支持を示したものだ。フィリピン軍はニュースリリースで、海上協力活動を「公海の平和と安定の維持を目的とした国家間の重要な関与」と表現した。

インドは、米国、オーストラリア、日本、カナダ、フランスに続き、海上協力活動を通じて南シナ海でフィリピン軍と協力している。インドの報道機関は、合同パトロールは来週のフィリピンのボンボン・マルコス大統領のインド訪問と重なると報じた。

インドとフィリピンの防衛協力は近年強化されており、インドは2022年にフィリピン海兵隊にブラモス(BrahMos)超音速対艦巡航ミサイル(露印共同開発、射程300km)を売却した。インド政府は昨年、2016年の南シナ海仲裁に関する立場を修正し、「結果の承認」から「裁定の遵守」を求めるより積極的な立場に転換した。

フィリピンで初めてとなるブラモス・ミサイル基地は、係争中のスカボロー礁周辺を含む、ルソン島西部沖の南シナ海の海上目標を攻撃する可能性を秘めている。インドは以前、フィリピン軍近代化プログラムを支援するために、フィリピンに対する融資と国内で開発・生産された軍事装備品のリストを提供していた。

参考資料:”Indian, Philippine Navies to Hold First South China Sea Joint Patrol,”(Aaron-Matthew Lariosa

July 30, 2025 6:58 PM USNI News)