イラン海軍(ネダジャ)は、6月16日に急遽出港・避難してから6週間後、ようやくバンダル・アッバスの港に戻った。12日間戦争中、艦艇が避難した後、港湾地域のネダジャ弾薬庫が攻撃され、港の西側にあるドローンを保管するために使用されていた革命防衛隊海軍(ネドサ)の倉庫も攻撃された。

その間、南方艦隊の艦艇の多くが単独で帰港し、おそらく補給のために港に短時間滞在した。ほとんどの艦がどこに分散していたかは明らかではないが、ジャスクやチャバハールなどの他の海軍管区の港に移動しなかったため、おそらく沿岸の泊地に分散していたと考えられる。

7月28日早朝に撮影された中解像度の衛星画像では、南方艦隊の艦艇のほとんどがバンダル・アッバスに戻ったようだ。バンダル・アッバスの外側にはまだ、革命防衛隊海軍(ネッサ)のドローン空母「シャヒド・バゲリ(Shahid Bagheri, C110-4)」が6月中旬から停泊している。その近くにはネッサ双胴艇「シャヒド・ナゼリ(Shahid Nazeri)」も停泊している。

政治的にも社会的にも、イランは12日間戦争以来、麻痺状態のままであり、宗教指導部が自国を守るための適切な手段を持たずに国を戦争に駆り立てる可能性があることに広範なショックを受けている。指導部エリート自体は、国をどの方向に導くべきかについて強硬派と改革派に分裂しており、その国内治安機関は国民の不満の兆候に厳重な警戒態勢を敷いている。ネダジャ艦艇の帰港は、同国が安定を取り戻しつつある可能性があることを示す最初の兆候のひとつといえる。

参考資料:”Iranian Navy Limps Back Into Bandar Abbas,”(Published Jul 28, 2025 4:39 PM by The Maritime Executive)